北島/あかみのプライベートなブログです。

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……という論文が、著者である井手口さんの手で公開されました。
同人評論に携わる方は必読級のドキュメントです。

公開先はこちら:http://ha2.seikyou.ne.jp/home/Akinori.Ideguchi/text.html

同人音楽研究は「音田楽」界隈やDJテクノウチさん界隈でだんだんと進んでいますが、もう一つ別のアプローチとして「本気の学術研究」があるはずです。
私は同人音楽研究会の立ち上げも通して後者のアプローチで動いていますが、そのルートからのガチ論文と考えてくださってけっこうです。

井手口さんは鹿児島国際大の講師をされていて、これまでも「音楽萌え その諸相と東方・初音ミク」や「ニコニコ動画における音楽の流行現象について  CGM環境とコミュニケーションの力学」というテーマで論文・論考を発表されている「ガチのオタク音楽研究者」です。
2005年にすでに同人音楽に注目した論文を発表されていたりと、学術世界での同人音楽研究に関しては日本の最高権威の一人でしょう。……コミケのサークルスペースにいても何の不思議もないくらい若い方ですけどねwww

mixi等を騒がせている小宮真央さん引退のお話
私自身はあんまり小宮さんの作品を持っていませんが、知り合いの方で小宮さんと組まれた方がいらっしゃったり、あとはやはりあの殺害予告:同人ボイスコ/歌姫の名前が一般マスコミに出たのはほぼ初めてのことだと思います。 そういった背景もあって、ある程度は状況を追いかけさせて頂いておりました。
そんな関わりだ、ということを先に申し上げておいて、小宮さんへのメッセージ。 

まず、長らくお疲れ様でしたと申し上げます。
普通は「引退しないで~」と叫ぶのが通常のファンの形なのでしょうが、不幸なことに私は普通の小宮さんファンではありません(笑

というわけで。

同人音楽文化なんて、そんなに1年や2年、5年程度でどうにかなってしまうようなものではありません。

いつもさんざん言っていることではありますが、今無理して創作して後日続けられなくなってしまうより、今は無理せずにもっと長期的に作りたいものを作れる、そして創作を生涯意味あるものとして続けられるのが一番ではないでしょうか。

私は同人音楽作家として、そしてなにより同人文化を愛する人として、文化の永続性を最優先に考えます。

小宮真央さん。まずは、活動をお休みください。 
そして、いつか子連れで活動に復活されることをお祈りします。

子供が生まれることは、それ自体無条件で素晴らしいことです。
これからは子育てをすべきときです。 真に輝かしい未来のために。

Hardcore Technorch 記事「他人語り37」を読んで。

こちらはDJ Technorchさんの公式サイトでもあると同時に、「未来の同人音楽」というテーマについて、深い示唆を含んだ記事を多数執筆されているブログです。

そこで、今後の同人音楽がどういう流れになるかを示したひとつの文章がありました。以下に引用します:

 同人音楽で言えば楽曲制作においてはまだまだ音屋が圧倒的に尊重される世界ですが、茶太さん烈火さんのようなプロ級の殿堂歌姫をはじめ、mikoさんのような強烈なアイドル性、そして迫る2009年東方アイドル戦争、そしてAbusolute Castawayをはじめとした「考えるボーカリスト」の台頭等、何がどうなるかわかりません。さてこれは「DJ」の世界なのか?「MC」の世界なのか?

 しかしライブの現場では既に決着がついていると言えます。今後同人音楽的なダンスフロアが突き進む道は恐らく冒頭【雑記】でも記したような「リアル リズム天国」的な世界でしょう。これはつまり音屋と歌姫が一体となって「MC」となるMC圧倒的優勢の世界です。

音屋と歌姫の一体化は、いくつかのサークルでは「歌姫が音屋を兼ねる」という形で進んでいます。具体例を挙げればVAGRANCY、Laudese、ロータスルートオーケストラ等。でも、これらのサークルの辿っている道は一般的なものなのでしょうか?
歌姫文化にはひとつの特有の未来があります:作曲者(音屋)と歌姫が分離されていること。 即ち、音屋は歌姫を選ぶことができ、歌姫にとっても多数の作曲家によって音楽が提供されること。歌姫は楽器とは違い、サウンド自体に強烈な個性を有する存在です。即ち、ある作品はある歌姫のためには良い作品であっても、他の歌姫のために良い作品であるかどうかは不明です。

ニコニコ動画的なオタク創作文化はMCの世界です。そして、そういった世界を演出できる歌姫は少なくとも出現しうるでしょう。mikoさんなどはそういった性格を持つのかもしれません。
一方で、「考える歌姫」はそんなに少ないのでしょうか?「考えずに」良いものを作れる、ということは、私には支持できません。

……具体例を挙げてみます。Laudeseの沢水さんも発言していないだけで、相当いろいろ考えてますよ。
それに、VAGRANCYの志方さんが「考えていない」とは考えられません。Danza, fanciulla gentileの素材MIDIを手に入れて「解析」を仕掛けたことがありました。 そこには、とんでもない「思考」の証拠が刻印されていました。
私の音楽家としてのキャリアをもって、明確に宣言します:志方あきこ作品は、きちっとクラシック音楽の伝統をふまえて書かれています。それも、バッハ以前の古楽の世界の。

とあるところで展開された議論もふまえると。
「歌姫」が歌うという営みは、 「演奏」行為の一種、つまり音楽のコンパイルです。ソースコード(=楽譜や仮歌)をバイナリ(=歌姫の歌)に変換するという過程です。
DJとMCの役割が一方に収斂するという考え方は、「歌姫」の演奏行為を過小評価する考え方ではないでしょうか。元の例えに戻すと、DJはDJの役割を持ち、MCはMCの役割を持つ。 そして、それらの役割は二人そろって、その関係性から価値と魅力が生まれてくる。
どちらか一方に過度の期待を寄せた瞬間、どちらの魅力も消えるのです。

実はこの構図、「演奏系」でも全く同じです。楽器の場合はもっと曲の汎用性が高い(多くの場合、Aさん向けの曲はBさんでも演奏可能)ため微妙にはっきりしませんが、演奏者と作曲者はそれぞれ別の役割を持ちます。

少なくとも歌姫系では、役割分担がはっきりしていてMCとDJ両方の可能性がきちんと「認められている」のが同人音楽の一つの魅力かもしれません。

……09年東方アイドル戦争って何ですか?(笑

同人音楽.booksを買ってきました。そして「一般音楽を聴こう!」を読んでみました。

……またまた同人音楽からクラシック系の存在がすっぽり忘れ去られてますよ(笑

というわけで勝手に補遺。

クラシック:サークル例 萌えさいと。、織姫オペラシアター、EMBRYO、Monochrome、アルトノイラント

同人音楽が一般を置いてけぼりにして突っ走ってしまったジャンル。このジャンルの参考盤だけは「それなりの大きさのCDショップに行けば売ってる」は忘れてください:HMVやタワレコの通販でお勧めを出します。もしくはYouTube。

初期同人クラシックはピアノ超絶技巧系が中心。分かりやすいのはホロヴィッツあたり:カルメン幻想曲スクリャービン「炎に向かって」の名演がYouTubeに転がってます。もうちょっと新しいCDならアムランの演奏が最適:シュトラウス編曲集、ゴドフスキー「ショパンの練習曲集による練習曲集」あたりをお勧め。その後、アルトノイラントだけは独自の方向に突っ走りました:参考資料としてはジェフスキ「不屈の民変奏曲」をお勧め。アルトノイラント以外を追いかけるなら、マーラーとシマノフスキが必修科目。マーラーはバーンスタインの後期作品集(8番~10番、大地)、シマノフスキはBBCフィル/シナイスキーのVn協奏曲集クラークのピアノソナタ全集をお勧めしておきます。

さて、萌えさいと。に書かないといけない話でもあるんですが。

これまでも私(あかみ)とprimenotesは長い間協力関係を結んで活動してきましたが、今後はこれまで以上に協力関係を深化させることになりそうです。

primenotesから風のウィンさんの作品(Live)が出たことで、primenotesは「外から見たら」変わったと思います:内部的にはさほど変わっていないのですが、やはり外から見るとLive以前のprimenotesは「あかみのプロジェクトに協力する誰か」だったと思いますし。
他にもいろいろと理由があります:織姫の存在がやはり面倒でした。織姫は私個人のプロジェクトではない、もっといえば「同人世界の共有物」的な意味合いのプロジェクトに育って欲しいわけで、「あかみ色」が過度に入ってくるのは避けたかった部分があります。とはいえ現実は皆さんご存知の通り。 動かし方によっては「1人で2つのサークルを回している」ということになりかねない懸念が強くありました。同人即売会のルールに照らすと疑念が山ほど残ります。

で。織姫オペラシアターでも近いうちに発表されると思いますが、あちらもprimenotesとの協力関係を取ることがほぼ決まりました。位置づけで言うと、primenotes界隈(primenotesは「所属」という表現は使いませんので、適当にこのへんの言葉を当てはめてください)の中の「パフォーマー集団」として織姫オペラシアターが活動することになります。
他にもprimenotesとの協力関係を組み立てているサークルさんがいくつかあります。

というわけで。

同人音楽サークルとしての「萌えさいと。」 をこれからだんだん縮小させることを考えています。
厳密に言えば、ねこねこソフト形式です:「萌えさいと。の名前で出すのが適切であり、萌えさいと。として活動するリソースがあるときに、 萌えさいと。としてスペースを出す」。POKやLostCrusaders関連はどう見ても「萌えさいと。」で出すべき作品ですし、ほかにも萌えさいと。で出すべき作品がこれから生まれてこないとは思いません。

ただし、「あかみ」の活動を落として行くつもりはこれっぽっちもありません。就職するので(注:同人関連企業ではありません)必然的に同人側の活動が沈静化していくことはあると思いますが、「個人の活動を収縮させる」つもりは全くありません。作品の出し方がいろいろばらついてくるだけ、とお考えください。
実は今年の夏コミは、primenotes陣営との本格的な連携を探るテストケースとしての側面がありました。「私が関わる作品が大量の場所で頒布されている」ときに、それをどうコントロールするか?という試みでもあります。 

作品の出し方がばらついても、「入手するのにあちこち回って大変」という状態にはできるだけしたくありません。そのへんのアナウンスも必要ですので、「Webサイトとしての萌えさいと。」は縮小しません:むしろ拡張の方向で考えています。
#primenotesと連携して、いろいろ面白い形を探りたいです。 

ということで、今後もいろいろとよろしくお願いします。

 

ブログの作者

北島(非同人方面)/あかみ(同人方面) です。いろいろやってます。