Posted on 2009 under 同人文化 |
8
8月
我々が常識(=一般的な姿の集合体)として持っている知識では、同人活動は「サークル」が主体となって行われることが一般的、となっています。……ということで、いつもの芸風に基づけば「果たしてそうである必然性は?」と来ます。
なぜ「サークル」だったかというと、そうでなければ印刷ができなかった時代があったから、という「単なる歴史的産物説」が説得力を持っています。で、だんだんコピー技術や印刷技術がコモディティになってきた云々と。であれば、今となっては果たして「サークル」である必要すらあるのだろうか?という問いがあります。
一つの回答としては、「同人活動とはサークルが主体になって行われるhogehogeな活動である」をそもそも定義にしてしまうこと。そうすれば、サークルが主体でない活動は同人活動ではないので、主体は「サークル」である必然性を持ちます。……この場合、「サークルとは何か?」という疑問が出てきますが、ともかく同人活動の主体に「サークル」とラベリングされるわけですから、とりあえずそれはそれでよし。
一方、サークルが主体であるのは単なる歴史的産物(と同人即売会の運用)による安定点にすぎないと考えれば、次に「サークルが主体ではない同人活動にはどんなものが考えられるのか?」という疑問が出てきます。実はこの手の話には山ほど実例があります:立体物のほうではイベントにアマチュアとして参加する主体のことを「ディーラー」と言います。男性向け同人誌即売会方面ではイベントを「主催する」ことは「同人活動であって、サークル活動ではない」部分に落ちます。歌姫は個人でサークルを持っているケースも多いですが、サークル活動と全く別の領域で個人活動を展開するのが一般的です。単独のボイスコともなればサークルを持っているのは少数派。同人誌即売会へのスタッフ参加も一つの同人活動でしょう。
というわけで、同人活動は「サークル」によって担われなければならない、という概念は(それを定義としない限り)意外と脆弱な話です。というわけで、そこをぶっ壊した先にどんな未来があるのかを知りたくなります。次に私が考えているのは、同人活動を行う主体のネットワーク化。「自分で創作して自分で売る」姿が古典的な(旧来の)同人「創作・頒布」活動であるとしたら、ネットワークとして仕立てた先には「自分たちで創作して自分たちで売る」スタイルが見えてきます。
同人創作には、狭義のの創作活動が終わった後にも営業・制作活動的な取り組みが続いていくという特徴があります。しかし、あちこちから話を聞くと「創作はやりたい」けれど「営業・制作活動はきつい」という話題も耳に聞こえてきます。これまで、私もあちこちのサークルさんに個人的に営業・制作活動をお手伝いするという形でそこらへんの壁を越えられるように仕込んできましたが、いよいよ次はそういった活動のネットワーク化を考えていける時期なのではないでしょうか。仕組みとして壁を越えられるようになれば、また次の壁が見えてくるでしょう。
具体的なアイデアレベルに落とすと、同人企画の運営リソースを提供するProject Manegement Office (PMO)や、頒布まわりを一元的に担当する流通担当者といった姿が見えてきます。単独のサークルでこういったスタッフを持つのはあまりに芸のない(巨大サークルなら止めませんが)話ですが、複数のサークルでPMOや流通系を一元化して持っておくのはそこまで筋が悪くない気がします。
……実は、近い実例は皆無じゃないんですよね。ただ、現状を見ているとどうしても大手サークルさんの利便性にフォーカスした仕組みばかりなんじゃないか?という懸念は否めません。
中小のサークルでも、ちゃんと手を組めば大手サークルと同じくらい面白い規模で面白いことができる。そういう未来が来て欲しいものです。
Posted on 2009 under 同人文化 |
3
8月
同人方面答えのない質問シリーズ。
いくつかの観点から、「同人即売会の主催者は、サークルを審査する必要があるのか?」という議論を展開してみます。
人気のある同人即売会では、しばしばサークルスペースの数が不足して「抽選」もしくはその他の選考によりサークルスペースが配分されることがあります。で。「純粋な抽選」で配分に取り組んでいるか、そうではなくサークルを何らかの形で評価・審査した上でサークルスペースを分配するか。私が耳にしたかぎり、どちらの方針を採る主催者も実在するようです。
純粋な抽選であれば、どんなサークルであっても~4桁人数の列を作るような超大手サークルでも、はじめて同人世界にやってきたサークルでも、他サークルとしばしばトラブルを起こすサークルでも、他サークルと連合体を組んでいるサークルでも~平等に機会が与えられますし、一方で平等に機会が与えられないこともあります。
一方、サークルを評価・審査する方針であれば、あらゆるサークルにとって機会が平等とはいえない一方、しばしば語られる懸念として「大手サークルの落選に伴い、無警戒の島中に新作を委託されてしまう」トラブルは回避できます。さて、どちらが良いものか。もちろん明確な答えはありません。
コミケは自らの安定開催を優先する立場から後者を是としているようです。しかし、このように「サークルを審査する」立場には、主催者の想定外なスタイルが出現した際の対応が不定となる(=サークル側としては当選できるかどうか分からない)リスクがつきまといます。即売会を(サークル側から見ても)ひとつの実験場として評価している自分の見解としては、このリスクは是認したくありません:実験したら参加させてもらえないかもしれませんよ?というのはちょっと無茶でしょう。
むろん、後者のスタイルでは「どう考えても対立関係にある2つのサークルを隣に配置してしまう」リスクや、「トラブルメーカーとして有名なサークルを当選させてしまう」リスクがあります。
一方、配置のためにサークルを「知らずに」配置をかける、というのは無茶です。先ほど述べたリスクとして、「対立関係にある2つのサークルを隣に配置してしまう」というのは典型的な話でしょう。この手の対立は決して珍しいわけではなく、「一般論のレベルでは」女性向けでリバース関係にある2つのサークルは「原則として対立関係にある」くらいの意識をもって考えたほうが無難です。ときどき「両方とも美味しく頂きます♪」というサークルさんがいらっしゃるおかげで、配置が成立する(=どこかとどこかを隣にしなければ物理的に難しいときも)わけですが。
#花帰葬はちょっとだけ違うところもあります。このへんはジャンル別の事情になってくるので、何とも言いませんが……ジャンル内事情の複雑さが全然違いますので、女性向けで「ジャンルの内情を知らずに」イベントを開催するのは、そもそも無茶に近いと考えます。男性向けならイベンターイベントも成立しますけど……。
私自身が主催者となるにあたって、この問いも何度か考えてきました。私自身が自分のイベントのために出した結論は「サークルを審査はしない。参加を申し込んだサークルは(物理的に可能な限り)すべて受け入れる。ただし、配置やその他必要業務のために『どのようなサークルなのか』はきちんと理解する」です。小規模イベント&斜陽ジャンルだからこそ可能なことですが、大規模イベントでもできればこういうスタンスを持っていきたいものです。
トラブルが予想されるケースでも、トラブルを「未然に防ぐ」のではなく、トラブルが「起きても大したことない形に持っていく」ほうが実は良いのではないか?ということも考えられます。
トラブルを未然に防ぐために過度に保守的になるのも、ちょっと違うと思うんですよね……やりたいことをやりたいし、やりたいことをさせてあげたい、じゃないですか。
Posted on 2009 under 同人文化, 同人音楽 |
29
7月
まだ最新カタROMを追い切れていないのですが、とりあえずうちの立場から。
うちは、元々Key→東方と同人音楽をやってきて、そこから受け手としては花帰葬から女性向けゲームの道にずぶずぶ足を突っ込んで、作り手としてはオリジナルの同人音楽に足を踏み込みつつある、という人間です。というわけで、同人ゲーム界隈については男性向けと女性向け両方まとめて状況を見ています。
今回、こっちのジャンルは男性向け傾向が東1~3、女性向けが東4~6です。個人的に言わせてもらえば、両方見ている人にとってはほぼ最適な配置です。おかげさまで、1日目も3日目も挨拶回りはありますが……それでも、今年はずいぶん動きやすくて助かります。
日程分割とか会場分割とか考える際に、一つ決定的に重要な話を指摘しておきます。
女性向け同人ゲームは、男性向け同人ゲームと必ずしも親和性が高いわけではないのは「通常の同人の常識通り」です。せいぜい東方経由?くらいの話かと。しかし、女性向け同人ゲームと同人音楽の親和性は非常に高いです。ぶっちゃけ花帰葬のせいという部分は大きいのですが、なんだかんだで現実として女性向け同人ゲーム界隈には高レベルの同人音楽聴き手がうじゃうじゃいらっしゃいます。
女性向け同人ゲームと同人音楽(=配置としては男性向けっぽい)が同日別館になると、「女性向け同人ゲーム+同人音楽」を追いかける人(特にサークル参加組)にはかなり悲劇的な結果になります。ということで、避けていただきたいかと。
以前、東1~3で女性向け同人ゲームと男性向け同人ゲームがいっしょになったことがありました。同じエリアで男性向けと女性向けが混ざると微妙かも?と感じましたが、今回のように1~3と4~6で分けられればそういった違和感も感じずに済むでしょう。
Posted on 2009 under 同人文化 |
28
6月
さて、またまた即売会の個人情報問題。
といっても、今度は漏洩とか可用性とか完全性とかそんな話とは少々違っていて、「不必要な個人情報を要求してしまった」件。
四国初開催となる東方オンリー「東方四国祭」で、サークルに対して必要以上の個人情報提出を要求するという騒動がありました。
提出要求はメールで行われたそうで、メールの原文がコピペされているmixi日記もいくつか見かけましたが、メール本文に著作権が発生している可能性をふまえ、本blogでは内容をざっとまとめて著作権が発生しない領域(=個別の事実)にまで落とし込んで紹介します。
サークル名、本名
フリガナを追加要求
自宅住所
フリガナを追加要求、その他不完全な住所の場合は再度住所全てを要求
連絡先電話番号
連絡可能曜日・時間帯等の追加提出を要求
連絡先メールアドレス
携帯メール不可、24時間に1度以上確認していることを条件としてメールアドレスの追加を要求
サークル代表者
生年月日、年齢、性別の追加を要求
サークル参加者
全員の本名、HN、性別、生年月日、年齢
コスプレについての詳細情報
サークル参加者、というか売り子の人数リスト
頒布予定作品の詳細情報
各作品の(過去)発行総数まで含めた情報
これらの情報を、東方四国祭実行委員会は「混雑対応のために」という名目で要求しています。しかし、混雑対応のためにこれらの情報は「全て」必要なのでしょうか?
実のところ、これらの情報はイベンターにとって「あれば困らない」、少なくとも使い道は思いつく類の情報です。たとえば、大至急連絡が必要な際に電話で連絡したいこともあるでしょう。電話番号はあれば助かります。メールアドレスも然り。
サークルの構成人数が多いサークルには、確かに混雑面での配慮はあったほうが良いです。うちも織姫やってるので「極度にサークル人数が多い」という状況を経験したことはあり……大変ですし、一歩間違えば他サークルへの迷惑にしかならないので控えるべきだ、ということを学びました……逆に、主催側がそういったサークルへ配慮してくれるというのなら悪くはないです。平等対応のほうが重要だって?そんな悪平等、意味ないです。サークルがみな「自分たちのスタイルで」平等に楽しめる環境を用意してこそ正当な平等だと考えます。……花祭も含めて。
過去の詳細発行部数も有れば困らない、というかぶっちゃけ「欲しい」情報です。1作品をトータル1000部売ってしまうサークルがいたとしたら、四国祭のレベルなら混雑対応が必要です。
でも。これらの情報は、他の同人即売会は要求していないところが多いです。少なくともこれらの情報は「存在しなくても」同人誌即売会は運営できます。さらに、東方四国祭はいくら混雑対応が必要になる可能性があるとはいってもせいぜい40SP。東方だからといってもたかが知れてますよ。ここまで情報無くてもなんとかなるでしょう:「全てのサークルで何が起きるか分からない」と思えば良いのですから。ですから、これらの情報を集めようとしたことは「正当である」とはさすがに思えません。少なくともこれだけの情報を集めようとしたことを正当化できるほど、東方四国祭は正当な説明をしておりません。
とはいえ、この情報を要求したのは単なるミスにすぎません。そう、ミスです。……意図的に「妙な情報を集めようとした」ものではないでしょう。東方四国祭としては、「これらの情報があれば助かる」と思ったのでしょうから。少なくとも私にはそう理解することができますし、情報の使い道も想像はできます。
とあるところでこんな評論を目にしました:「これだけ無茶な情報を集めようとしているのは、むしろ東方四国祭自体が架空のイベントで、情報を集めてドロンするための詐欺行為なのでは?」と。この評論は、どう見ても単に「疑いすぎ」、被害妄想の類です。本当にありがとうございます。
そして、最大の問題は東方四国祭サイトの謝罪記述です:引用します
東方四国祭運営では、個人情報の管理については代表者である十川将也のみが行っています。
今現在、個人情報の漏洩、紛失はございません。
今後も個人情報の扱いには最新の注意をはらい、スタッフへの指導をこれまで以上に徹底し
今回のようなことが再発しないように尽力いたします。
個人情報の漏洩、紛失がないということは、今回のトラブルに何も関係がありません。自分たちは個人情報の管理をきちんとやっているのだというアピールなのでしょうが、本件トラブルが性質として漏洩、紛失に繋がりかねないものではない以上、「自分たちは個人情報保護の枠組みを本質的には一切理解していない」というアピールにしかなっていません。しかし、個人情報保護の枠組みを一切理解していないとしても、だからといって今回のトラブルを起こしたことを根拠として「いつどこで漏洩、紛失が起きてもおかしくない」という話でもありません。
この一件から読み取るべき内容は、個人情報取扱の重要性ではありません:むしろ適切なマネジメントの重要性なのです。
そして、この程度の話なら「40SP程度の小規模同人誌即売会なら、いつどこで起きても全然不思議ではない」程度のミスです。
本質的には些細なミスにすぎないのですから、あまり重く考えすぎずに、東方四国祭を楽しもうではありませんか。
……私は逝きませんけどね!<そもそも関東在住なのでトラブルがあるなしに関係なく参加自体困難
Posted on 2009 under 同人文化 |
21
1月
りきおの雑記
コミケで、長時間行列を作らせる大手サークルは排除すべきでは?http://d.hatena.ne.jp/rikio0505/20080522/1211463611
からの話題に、
STRIKE HOLE
http://blog.livedoor.jp/analstrike/
のいつもの芸風を足して。
大手サークルを排除した同人誌即売会を開催する革命的方法を考案。
答え:
ジャンル大手すら存在しないマイナージャンルで即売会を開催する。
「サークル列整理」を考えなくて良い即売会って、気楽ですよ~wwww
#花帰葬はだいたいこんな感じ:オンリーなら最大手は「委託スペース列」、二番手は「一般入場待機列」です。