さて、STRIKE HOLE様から反論・議論のためのエントリをいただきました。ありがとうございます。
織姫様「同人文化の多様性と、地方の独自な習慣の是非について」についての自身の見解
http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51600264.html
……前回はトラックバックがうまく通っていなかったみたいで。ごめんなさい、です。
で、こちらへの返信をメインに。
今回はかなり議論が散逸します。正直自分自身もきちっと練り切れていない部分があり、細かくケースバイケースで見ていくと「通常は常識視されている原理原則」の盲目的な適用が最適解ではないケースもそれなりに出会っているので、クリアカットな議論にはできません。
というわけで議論の口調にギアチェンジ。
>また、地方ルールを貫いた所で、サークルは他の地域の即売会にも遠征参加する。
>そこで他の地域のルールに優位性を見い出せば、地元のイベントを劣るものと捉え、地元のイベントは魅力を失う。地元のイベントからのサークル流出にも繋がる。
もちろん、その「地方ルールが」地方の地元の人にとって魅力のないルールだとしたら、それはおそらくルールの最適化が不十分だ、ということ。十分に最適化されていないルール・スタイルは、その分「参加者の満足度の低下」に繋がるのは自明:最適な状態よりは良くないのだから。問題は、その「最適化されていない部分」がどのくらい定量的に問題か、そして致命的か、ということに繋がるだろう。
物理屋的な発想を持ち込むと、怖いケースとして「局所最適への最適化」がある。「イベントのスタイルをちょっと揺らす程度」だけの考慮から見れば最適解のように見えるが、根本的なところで間違っていて全体として最適解では全くないような話。コミックネットワークでも同様の事態が起きていたのかも……しれない。
同種の問題として、サンクリのコスプレ導入問題について私が「大きな憂慮を持たない」のも、サンクリのコスプレ導入は「満足度低下に繋がるかもしれないが、トータルでそれが致命的な領域ではないだろう」と予測・評価しているだけの話である。正直ここは「やってみないと分からない」。
大まかに見たらこんなところだろう。
ただ、コミックネットワーク方面は「一度現地を見に行かねば語れないのでは?」という疑念もあり、あまりちゃんと語りまくる気にはなれない。夢彗星が「東京で失敗したこと」くらいは東京側の情報で議論してもよいような気もするが、「九州における夢彗星の現状」や「コミックネットワークの現状」は東京の人間は「まともに知らない」っぽいので……。
少なくとも、九州イベントについては「こっちが知らないこと」が多すぎる。実は11月にProject Arbalestの皆様からそのへんの現場をお伺いする機会があって、「現場を見ないで語る」ことの怖さを思い知らされた。東京の論理が極端に強い大9州東方祭ですら「東京ではあり得ない話」がいくつか聞こえてきているし……
別のベクトルから同じ議論を繰り返してみる。いったん同人の「常識」から離れて、どんなスタイルが最適なのかを一から考え直すという想定。
まず最初に邪魔になる発想(定着したスタイル)が、参加者を「参加者」と呼び、「お客様」として扱わない思想だろう。確かにイベントを作る「参加者」として一般参加者は重要な構成要素だし、参加者自身として「お客様気分で」参加するのはNG。みんながお客様気分で参加したら、コミケなんて早晩吹っ飛ぶだろう。しかし、だからといってスタッフはサークル参加者・一般参加者へのホスピタリティ、もてなしの心を忘れて良いのだろうか?サークルは一般へのもてなしの心を忘れて良いのか?
「参加者と呼ぶ」ことは、同人世界をその他の世界と明白に区別するキーワードとして機能している。このキーワード自体を云々するつもりはない:「区別するキーワード」としてとても良いし、良い意味でのアマチュアイズムが全開になっている。しかし、だからといってスタッフやサークル側が「一般はお客様ではないのだから邪険にして良い」という発想は間違っている。(注:とあるイベントでこの手の思想が実在した。論外と評価。)
一つのケーススタディとして、九州地方のイベントの特異性を考える。3週間前に案内書が送られては困る、という人が多いとする。しかし、宅急便搬入を試みる人や、遠方からの遠征組にとっては3週間前くらいに案内書が届かないと困るのも事実。さぁどうするか?
tenjin.beは一つの面白い結論を出した:サークルチケットの存在しない同人即売会。Webベースで案内書をアップロード、サークルチケットをそもそも発送しなければ、郵便事故に悩まされることもない。3週間前から案内書がアップロードされていようが、サークル参加者にとって「サークルチケットをなくす」心配はしなくてよい。過去の即売会には珍しいパターンだが、実はtenjin.beについては十分に最適化されているので?と思う。
もちろん、この方法はコミケには最適化されていない。コミケで「サークルチケットを廃止します」やってみたら、現在は東館駐車場や西館正面に形成されている巨大待機列が、10時前にして館内の大手サークル前に形成されることになるのでは?wwww
カップリングを配慮した配置も、「真にそれが常に最適」とは限らない。マイナージャンルのオンリーや、sp数が2桁中盤に届かないような小規模オールジャンルイベントであれば、また別の方法論があり得そうな気もする。実際は「配置してみないと分からない」とか、「カップリング違いのサークルは険悪である」といった要素で結局カップリングを配慮した配置になるような気もしなくはないが。
なんだかんだで、同人イベントの多様性を語るには現地を見た経験が必要なのかもしれない。その意味で、花祭準備も含めて全国のイベントを回った経験は本当にためになった。オールジャンルが新潟(ガタケ)・大阪(シティ)・鹿児島(drink bar)の3回、東方オンリーが名古屋のまんがまつり1,花帰葬が大阪1回と名古屋1回。同じ「名古屋イベント」でもまんがまつり1と花帰葬(なごはな!)は全然違うイベントだったし、「なぜそうなったか」もだいたい見えてきた。
前回のエントリは「地方の習慣を別のエリアに直接無考慮で持ち込むことはまずい」という趣旨をしゃべっているが、実はマイナージャンルの場合「あえて別地方の習慣を持ち込む」ほうが良いこともあり得る。少なくとも、現在花帰葬でオンリーやろうとするなら現地の習慣よりは関西の習慣を持ち込んだほうが良いだろうなとも思えるが、このへん「なぜそうなのか」は花祭主催としては口をつぐむべき領域だろうwww(苦笑
#花祭は東京、関西、九州、その他全国各地の「良いとこ取り」なコンセプト:花帰葬級のマイナージャンル、しかも過疎地開催だからこそ可能なアプローチ。
正直、この手の話は「総体的に見て」クリアカットな議論ができそうには思えない。多様性が是であり、かつ「全国のルール均一化が必ずしも最善ではない」ことだけは間違いないのだが……。
ということで、ぐだぐだ議論でした。大局的な議論はいいんですが、同人で細かい話を議論しようとすると綺麗にならないですね……。
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