ここには部落差別系の文脈はありません。というかその手の人権系エントリではありません。
部落差別問題についても言いたいことはありますが、とりあえずこのエントリに投げる話ではありません。
というわけで。
大原則として、コミケにおいてあらゆるジャンルに与えられる機会は平等であることが望ましいと考えておきます。
あっとまーく・いんくりめんとさんから、先日のエントリ「C76の東方スペース大混雑に思う」へコメントをいただきました。
もはや配置ゲームというか、運営ゲームとしか見ていないような印象。
「東方だから」という逆優遇は見てて腹が立つものです。
実際、こんな優遇……というか特別対応をしないで済むならそれがベストです。コミケをゆとりをもって開催できる然るべき規模の会場(注:日本には存在しませんが)であれば、東方といえども特別対応は必要ないでしょう。
しかし、現実的な答えとしてビッグサイト(=もう余裕がない)で開催する上で「平等」を押し通し、東方のような超混雑ジャンルへの配慮を怠っては、「現実的な意味で」コミケの運営にプラスとは思えません。今回、神主の並び列には「もう並べません」札が出現したようです。これも通常のコミケと比べたら特例措置の部類でしょう。「今そこに」現実的に問題があれば、平等にこだわることなくピンポイントで対応する必要があることもあります。
東方ジャンルの混雑解消は東西連絡通路への極端な過負荷といった形でコミックマーケット全体にとってまもなく喫緊の課題となる性質の話であり、そのためなら(致命的な悪影響をもたらさない範囲で)先例に対する決定的なイレギュラーもゼロベースで考える必要があるでしょう。
もちろんのことですが、東方に限らず、極端な混雑ジャンルが出現したら当然同じようなことを考える必要があります。その意味では、こういった考え方は「平等」です。
#東方の大混乱は、かなりの部分を解決できる方法がもう1つあります:「本家無条件落選」。ただ、この手法は私としては「思考する=問題点を探す」ことはできても、現時点では現実的に提案することができるような話ではありません。それこそ「サークルに与えられる平等の範囲」を軽く侵害する話と考えます。本家落選をも選択肢として考えねばならない状態は、さすがにもう一歩先の話でしょう。
#準備会の一部ではここまで「考えてはいる」(そして、現時点では問題点とメリットを見くらべて前者が勝るので実行しない)とは思いますが……
そういえば、コミケの抽選は「ジャンルごとの当選比率」はジャンルにおおむね依存しないと言われていますが、誰も「サークル一つ一つにとっての当選確率がサークルに依存しない」とは言ってませんよねぇ。
産経新聞の「民主党の思うとおりにはさせないぜ」騒動と根元は同じだと思いますが、コミックマーケット準備会も決して「中立不偏である」とは言えないのが現状のような気がします。米沢代表の時代は「中立不偏な準備会」を本気で目指していたように見えましたが、現在は……orz
もちろん「コミケにとって耳の痛い批判をしたサークルを抽選で無条件に落とす」ようなあからさまなマネはしないはずですが、もうちょっとクリティカルな話になると効いてくる予感。
もう一つちょっと追記を。
「今日の言わせれ」さんから「外の人」から見たらもっともな意見なんですが…を読んで。
理念上云々という議論は、どうしても「明確な答えが出しづらい」ことが多く、クリアカットな議論にはなりにくい傾向があります。(そして議論やってるうちに離反が明確化したりorz)
一方、「現実的に可能か不可能か」という答えは、「現実的に出したい結果」が明確であれば理念を経由した議論よりは簡単なことが多いです。そして、議論を展開する過程=調査を通して未来への鍵が見えてくることもあります。
だから、うちの場合は理念を語って議論をはじめるより、先に「現実的に今どうやったらこの問題を解決できるか」レベルから考えはじめることが多いです。いくら理念で語っていようが不可能なことは不可能ですし、理念が物理学をねじ曲げたりはしないので、難しければ難しいほど現実的な話を出発点にしたほうが分かりやすくなります。
by 太田たこす, on 9月 1 2009 @ 14:07:08
はじめまして、「今日の言わせれ」管理人の太田たこすと申します。
うちのエントリへのご意見ありがとうございます。
昨日書いた補足エントリの冒頭にも似たような事を書きましたが、
理念云々はそれを共有している人以外にはほぼ通用しないんですよね。
それは経験から判りきっていたので、
あのような実務メインの書き方になりました。
>いくら理念で語っていようが不可能なことは不可能ですし、理念が物理学をねじ曲げたりはしないので、難しければ難しいほど現実的な話を出発点にしたほうが分かりやすくなります。
これも全くその通りだと思います。
そして私の知る限り、
準備会の問題解決の方法もほぼこの通りの手順で進んでいます。
現実と理念・目的の兼ね合いの中で調整を繰り返しているので、
どうしても一部不平等な部分や理念に反する部分も出てきてしまう。
その辺に関する理解がもっとサークルや一般に広まって欲しいなと。
最後になりましたが、
近日中にこちらと「C76の東方スペース大混雑に思う」のエントリについて、
うちのブログで取り上げさせていただきます。
その節はよしなに。
by きたじま/あかみ(管理人), on 9月 1 2009 @ 22:25:19
コメントありがとうございます。
「いくら理念~」の流れは重要な話なんですが、意外と軽視されがちですよね。たとえば「目的と方法が1:1に対応していなければならない」といった議論も同種の話に聞こえます。
結局、去年うちが巻き込まれた例大祭5の件も同じで。
「現実的にどうするか」といえばあのホールであの人数が来たら手の施しようがないからこそ、こちらは「結果責任があるんだから総括はしような?あと、次回以降は『カタログ売り切れたら入りません』宣言を最初から出しておこうな?」以上のことは言っても意味がないです。
……手の施しようがあるイベントには言いたいこともいくらでもありますが。
実は、「今後の開催へ向けた実験結果を得るために、コミケを舞台にこんな実験/研究やったら面白いのでは?」という企画自体は持っています。ぶっちゃけ必要経費的に11桁の線が見えてくる予感がするので、現実的にはできませんが。